映画「ゆきゆきて、進軍」

衝撃のドキュメンタリー映画「ゆきゆきて、進軍」をYouTubeにて観賞。

YouTubeで森友のスクープを文春で出した相沢冬樹氏が、「酔談」の中で赤木さんの奥さんに紹介したという話を聞いて、早速私も検索して全編がYouTubeでアップされていたので観ることができました。

南方インドネシア戦線で終戦を迎えた奥崎謙三氏が、終戦直後に若い兵士2人を処刑したという兵士を戦後37年たった1982年~1983年に訪ね歩き、存層を自供する姿を追った衝撃のドキュメンタリー。

奥崎氏の、ある種狂気じみた性格が垣間見えるものの、処刑を語る元兵士たちの姿を生々しく描き出しているところはまさに衝撃である。処刑の理由が、若い兵士が敵前逃亡だったのか、現地人を殺して人肉を食べたからなのか、元兵士はなかなか語ろうとしません。こんな姿をよくカメラで映しだせたものです。当然警察がやってくるは、元兵士と奥崎氏が取っ組み合いの暴力沙汰になるは、芝居のような場面が出てきます。

結局真相は最後に出てくる山田さんという元兵士の言ったことなのか?山田さんの言っていることが最も信ぴょう性がある描写です。

南方戦線の終戦時の兵士の悲惨な状況が語られますが、彼らは生きるためにどんなことをしてきたのか、まだ語られないことがたくさんあるように感じます。皆さん、悲惨な目に合っていると同時に、残酷な行動を行い、多くの方たちを悲惨な目に合わせてもいるため、皆さん語ることなく、生涯を終わっていると思われます。そういう意味で、この映画で語られる人肉のことなど、貴重な証言が語られることになり、価値ある映画となっています。

奥崎さんは、元兵士3名を殺害することを決意し、誤って一人の息子さんに傷害を負わせて、懲役12年の刑を食らって収監され、1997年に出所、2005年に亡くなっています。それにしても、すごい狂気の人生を送った人だった。

今日はこの辺で。