ジャーナリスト魂とは

NHK記者時代に森友問題を取材し、政権に都合の悪い部分まで迫った相澤冬樹記者。彼は、NHK記者として大阪で活躍し、特に森友問題では関係者に接近し真実に迫りすぎた?がために、本社報道局長ににらまれ、記者をおろされたことから、すんなりNHKを辞職し、大阪日日新聞に移籍した異色の人物。まさに生涯一記者を貫いているジャーナリスト中のジャーナリスト。

そんな彼に信頼を寄せた故赤木俊夫氏(森友の文書改竄で自殺された近畿財務局の職員)の奥様から真剣な相談があり、今回の遺書と手記の公表が実現しました。彼は実際には1年半前に奥様から遺書と手記を見せられたものの、奥様が「絶対に記事にしてほしくない、記事にしたら自分も死にます」と言われていたとのこと。記者としては目の前に宝があるのに封印せざるを得ない苦しさはあったでしょうが、その後の財務省が遺族に意識的に遠ざかり、麻生大臣や佐川氏は弔問にも来ない状況に、これでは故人が残した手記にある真実が闇に葬られる恐れがあると決意し、奥様が再び相澤氏に相談し今回の訴訟と公表に至ったようです。

NHKという大組織にいれば、50代後半になっている相澤氏としては楽な人生が送れるのでしょうが、彼はあっさりNHKブランドを捨てて、大阪の小新聞社である大阪日日新聞に再就職してとのこと。ただし、入社の際には給料はいくらでもいいが、2つの条件を出したとのこと。一つは取材費を自由に使えること(取材にはお金がかかる)、もう一つは副業、すなわち大きなメディア(今回の週刊文春など)への記事提供ををさせてほしいということ。新聞社のオーナーと社長はこれをOKしたとのことです。

NHKだけでなく、メディアにある程度の中立性が要求されるのはわかりますが、一方で権力監視という社会的使命がります。少なくとも野党より政府・与党の方が大きな権力を持っているのは自明。したがって政府・与党を厳しく監視するのは当たり前のこと。こういう当たり前のことを理解せずに、ひたすらメディアに中立性を求めたり、圧力をかけることはあってはならないこと。

同時にメディアが政権・与党にすり寄ってご機嫌取りをするようなことは絶対にあってはならないことです。

今日はこの辺で。